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り、水蒸気凝縮開始部の推算値及び分圧が1/2となる排ガス組成、温度、圧力における物性値を用いた推算値・さらに、出口部凝縮熱伝達率を0としてこれら3点での値からシンプソン積分により求めた管外凝縮熱伝達率である。また、CO2凝縮器の凝縮熱伝達率は、(10)式、(11)式により炭酸ガスの凝縮温度圧力における物性値を用いた管外凝縮熱伝達率である。
また、両凝縮器とも管内の冷却水流速が遅く低レイノルズ数(流量500?/hでレイノルズ数1200以下)となるため、当社で別途実施した計測によりウィルソンプロット法を用いて導いた管内熱伝達率推算式により計算値を冷却水側熱伝達率として使用した。また、表3.3-2、表3.3-3に示すように、多管式熱交換器の設計標準として広く用いられているTEMA(Standard of Tubular Exchanger ManufacturersAssociation)より、冷却水側及び排ガス側の汚れ係数として各々0.0002,0.002m2h℃/kcalを考慮した。各凝縮器の熱貫流率は(12)式で示され、交換熱量ならびに対数平均温度差を用い必要伝熱面積が(13)式により求められる。

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ここで、A:必要伝熱面積.di:伝熱管内径、d0:伝熱管外径、:hc二管外凝縮熱伝達率、hw:管内冷却水熱伝達率.K:熱貫流率、Q:交換熱量、γi:管外排ガス汚れ係数、γO:管内冷却水汚れ係数、λ:管熱砂伝導率、△Tim:対数平均温度差
表3.3-2、表3.3-3に示すように凝縮器の汚れを考慮した場合、冷却水流量500?/hで凝縮器必要熱貫流率は約5%不足となるものの、清浄な状態では各々の凝縮器で50%以上の余裕を有することになる。
本研究の目的は、排ガスの凝縮特性を明らかにし実船システムにおいて排ガス凝縮器に要求される仕様に対して設計が可能となる基礎データを取得することである。
各凝縮器の設計では凝縮器伝達率ならびに冷却水熱伝達率の予測値に対し設計的余裕を考慮していないが、凝縮器の性能が過大である場合(水蒸気凝縮器内で炭酸ガスが凝縮し、炭酸ガス凝縮器内で凝縮した炭酸ガスの過冷却が生じる)、大量の不凝縮ガスを含む水蒸気の凝縮伝熱特性ならびに高圧下での炭酸ガスの凝縮特性を適切に評価するため、H2O凝縮器からCO2凝縮器へ流れる計測温度をもとに冷却水量を調整する。
(5)まとめ
高圧燃焼スターリングエンジンの排ガス凝縮器について設計、検討を行い試作システムの凝縮器基本仕様を決定した。排ガスは水蒸気がはじめに凝縮し、次に炭酸ガスが凝縮する過程をとり、水蒸気凝縮部では炭酸ガスに不凝縮ガスとして作用し

 

 

 

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